コンちゃん
PERが低い会社はお買い得だと理解できたけど、どれぐらい低ければ「低い」と言えるの?
前回の投稿ではPERが低い会社はお得(割安)と一目で確認できる便利な指標と解説しましたが、「PERが低い」= その株を買おう!と判断すると落とし穴にはまってしまうかも!
本投稿ではPERの落とし穴や回避する方法を解説します!
PERの落とし穴
PERには大きく2つの落とし穴が潜んでいます。
PERの2つの落とし穴
- 株価が割高か割安かどうか、PERの一つの基準で判断する
- PERが低い=お得だからと言って、株価が上がるとは限らない
今回の投稿では1つ目の落とし穴について解説します。
PERの目安
- 「PERが15倍以下の株を買いたい!」
- 「PERが10倍以下なら安い!」
というように、PERを一つの基準で判断するのは危険です。
日本株の平均PERは一般的に15倍程度と言われており、これを基準に割高/割安と判断する方がいますが、市場のPERは変動することに加え、会社規模や業種によっても大きく異なります。
プライム市場上場企業の業種別PER (実績ベース) |
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出典:日本取引所グループ(2024年12月)
例えば2024年12月末時点での小売業のPERは平均28倍で、PER15倍を基準にすると多くの小売企業が割高と考えられ、買う機会を逃してしまうかもしれませんし、平均PER10倍の空運業では多くの企業が割安と判断できてしまい、本当は割高なのに、割安と判断して買ってしまうかもしれません。
最新のデータは日本取引所グループのサイトでご確認ください。
落とし穴を回避する方法
このような落とし穴を避けるためには、一つの基準で判断するのではなく、PERを「縦」と「横」で比較することが重要です!
PERの縦比較 | PERの横比較 |
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 ➡️過去のPERと比較する |  ➡️競合のPERと比較する |
コンちゃん
PERを「縦比較」する
PERを「縦」で比較するとは、分析対象会社のPERの推移を確認すること。現在のPERが過去と比べてどの水準にあるのかを考えるのがポイントです。
確認すること
- 今のPERが過去より高いか低いか
- 過去から現在までの平均と動き
- 高い/低い時の業績や成長率の変化
コンちゃん
過去と比べて今のPERが高い、または低いのには何か理由があるはず。その理由を考えることが大切だよ!
PERを「横比較」する
PERを「横」で比較するとは、分析対象会社のPERを競合のPERと比較すること。競合のPERに対してどの水準にあるかを考えることがポイントです。
確認すること
- 競合のPERより高いか低いか
- なぜその位置づけになっているか
- 他社のPERの推移
コンちゃん
PERの差は成長率や利益率の違いで説明できちゃう。その理由を考えよう!
さらに精度を高めるには
PERに明確な目安がなく、過去の推移や競合と比較することで力を発揮する指標だということを理解いただけたと思います。会社規模や業種によって異なるため、絶対的な指標ではないことにご注意ください。
さらに、ほかの指標を組み合わせることで、分析の深さを1レベル高めることができます!
コンちゃん
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